2013年10月28日月曜日

土壌菌食べよう♪

お腹にサナダ虫を飼っていたことで有名な 寄生虫博士、藤田紘一郎先生、
最近は 寄生虫ではなく、「腸」の健康のお話のほうで活躍なさっているらしい。

藤田先生の著作物は、「ん?」てとこも少しあるのだけれど、
専門家ならではの興味深いネタ満載の上、 ユーモラスな先生のお人柄が感じられるものだから、
本を見つけると、ついつい買って読んでしまいます。

今年になって読んだ本は、すべて腸のお話。
先生ならではのユニークなお話がいっぱい。

『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(ワニブックスPLUS新書)では、
病気が発病するかどうかの分かれ道は、
腸内細菌の数と、腸内バランスがいかに整っているかである、と先生は言っています。

では、腸内細菌を元気にするにはどうするか?

食物繊維をたっぷり食べると、悪玉菌だって、良い働きを始める、とか、
味噌、納豆が腸内細菌の滋養強壮剤になる、とか、
健康に関心のある人なら思いつく定番ネタも書いてありますが、
中でも、私がいちばんおもしろかったのが、 「落ちたものを食べる」 という方法。

腸内細菌を活性化するためには、外から菌を取り入れることが不可欠。
そのために効果的なのが「土壌菌」。
土の中にいる菌です。

昔は食糧事情が悪かったので、野山や川のものなど、あらゆるものを食べたけれど、
今は清潔志向で、土壌菌を取り入れる機会がなくなってしまった、と。

たしかに最近は、清潔清潔で、赤ちゃんもハイハイして畳をなめたりしないし、
野菜には土も虫もついてない。
殺菌殺菌で、 腸内環境は、一昔前とは相当違っているはずです。

このごろは、アトピーなどのアレルギーも、腸内環境が原因とする説があります。
アレルギー体質の私は、土壌菌でもなんでも頼って、なんとしてでも腸内環境をよくしたい。

そういえば、先日、海外取材のテレビで、
健康のための高級食材として、 土が利用されている、という映像も目にしました。

うーむ、これは、試してみる価値があるかも。

でも、どうやって土壌菌を取り入れる?

先生のお友達は、中国で養殖しているミミズを取り寄せて食べているそうです。
ミミズは土壌菌の宝庫。
これを食べると健康になるのみならず、精力がみなぎってくるそうで。
どんな精力増強剤より効くのだそうです。

土壌菌は、腸内細菌を活性化し、そして、精力まで向上させてしまうのらしい。

ミミズを取り寄せるほどのお金のない先生は、土壌菌のカプセルを飲んでいるそうです。
カプセルのおかげで、藤田先生も70すぎて「現役」だというので、
調べてみたところ、
土壌菌カプセルは、藤田先生が開発にかかわっている 「マメビオプラス」という商品。
飲んでみたいような気もするけど、30粒で4500円とお高いのです。

健康にはお金がかからない!
が信条の私にとって、 カプセルごときにそんな大枚をはたくことは許されません。

ではどうするか?
先生は言います、 もっと手軽に土壌菌を取り入れるには、 「落ちたものを食べること」。

「床でも土でも落ちたものから多種多様な菌が腸に入ってきて腸内細菌を大いに刺激してくれれば、菌たちが精力的に動き出し、生命力も精力も高まります。」

じゃ、アタシは、 身近にある土壌菌を少しずつ食べてみようじゃないか!

違いますって、
精力を高めるためじゃなくて、くれぐれも、腸内環境、アレルギー体質改善のためですからね!

しかし、庭の土やミミズ取ってきてモリモリ食うわけにもいかない。

そこで、 野菜をテキトーに洗うようにし始めてみた。

小松菜や、カブの茎のあたり。ノミ取りまなこで土を洗いながしていましたが、
今じゃ、
「おっ、土壌菌、土壌菌♪」
と浮かれながら、 ほどほどにすすいでさっさと調理。

レタスなどの葉物を洗うときも、
白いボールを使って、細かい砂が少しも残らないように、 ていねいにていねいに洗っていたのが、今じゃ、
「土壌菌、土壌菌♪」

芋やゴボウなどの根菜だって、皮をしっかりこそげ取っていたのを、
たわしでゴシゴシこすって、テキトーに食べちゃう。

おかげで、野菜類を洗うのがおっくうでなくなって、野菜摂取量がドカンと増えました。

残留農薬?
あるかもしれないけど、なんとなく気になるものは水につけるくらいで、
あとは気にしなーい。

腸内環境にどの程度効果があるのかはわかりませぬ。
でも、 料理が断然楽しくなったのは確か!

夫の精力が高まっている?
いやその様子はないですねぇ(だからそのためではありませんて!)。


大好きなカブの糠漬けを作るのも
勝手に作った「土壌菌の歌♪」を歌いながら。
土壌菌プラス糠漬けの乳酸菌の最強コンビ!

2013年10月17日木曜日

注射嫌いのワクチン読本

小さいころから、注射が大嫌いでした。

まだ2,3歳のころから、黒いカバンを持って曾祖父の往診に来る医師の姿を見ては泣きわめき、 同じように黒いカバンを持ってやってくる銀行のおじさんにまで怯えて大泣きし、
人のいいおじさんをおおいに困らせたものでした。

「なんであんなに医者嫌いだったんだろうねぇ」
親は今も時折、あきれてこう言います。

ただただ、注射が怖い。
動物病院が大嫌いな犬と同レベルです。

私が小学校のときには、まだ学校でインフルエンザの集団接種がありました。
年に2回も注射。
いやでいやでたまらなかった。

ある年の2回目の注射のとき。
教室を出て、クラスの女子で列になって寒い廊下を歩き、
いよいよガス室、いや、アルコールの臭う保健室前に並んだ時、

保健の先生が、
「この間注射をして腫れたり、熱が出たり、具合が悪くなったりした人はいますか?その人は左に一歩ずれてください」
と言いました。

あたしゃ 腫れてもいないし、熱もでてない、
しかし、思わず左に一歩、ずれてみた。
ずれた2、3人を残し、クラスメートは保健室の中へ。

「ラッキー!」

味を占めた私は、その後何回もその手でワクチンをちょろまかしました。

いちおう、小学校の時にはマジメでおりこうさんだった部類の私が、
なんでそんなことをしたのか、今も 不思議なんですが、
ただただ、腕にハリを射すのがいやだったから、としか思えない。

ワクチンしないことで、インフルエンザになるかもしれない!
という危機感なんか、これっぽっちもなく、
「ひとつインフルエンザにでもかかって、学校しっかり休んでみたいなヒヒヒ」
と思っていた不埒ものでした。
頑健だった私は、学校を休むこともなく、結局、 ズルしたことは、誰にもバレずじまい(多分)。

注射、今も大っ嫌いです。
だから、血液検査のある健康診断からも逃げ回っています。

注射好きな人って、いるのかしら?
みんな、注射、いやですよね?

こんなこと書いて、何が言いたいのかというと、
最近の世の中では、注射を打つことが、「善きこと」のように思われすぎていて

なんか、おかしかないか?

と。

「注射嫌い!」なんて言ったら、 知性のない非科学的人間め、みたいな目で見られてしまう。

でも、いやなもんは嫌なんダ。

もうお子さまが大きい方はご存じないと思いますが、
今の赤ちゃんの予防接種、すごいんです。

0歳児のうちに、国が奨めている定期接種だけで10回も打つ。
しかも、最近は
「ワクチンを打つのはきちんとした親の果たすべき義務」
みたいなムードがすごくって、お母さんへのプレッシャーもただならぬものがあります。

私、
今、赤ちゃんじゃなくて、ホントよかった。
生まれたばっかりで、そんなにブスブス打たれたら、
怒りと痛みのあまり、この世に絶望して憤死してしまうに違いありません。

本当に必要なワクチンだけにできないのかな?
ワクチンを全否定するつもりはないけれど、
どうしても必要なものだけに絞れないのかな?

自分が母親になり、子どもにワクチンを打たせる立場になってから、ずっと考え続けてきたこと。

その答えが、 最近、やっと、出ました。

同じように、迷い、悩んでいるお母さんに知っていただきたくて、本を作りました。

『子どもと親のためのワクチン読本』
です。

『インフルエンザ・ワクチンは打たないで!』という本で、
インフルエンザワクチンについてまとめた時からのお付き合いである、
著者の母里啓子医師から、ワクチンの話をとことん伺って、作り上げました。

ワクチンの病気のリスクと予防接種のリスクなど、Q&Aも使ってわかりやすくまとめています。

ワクチンの問題って、どうしても暗いものになってしまうのですが、
現役ママである、高橋ユウさんによる「ワクチンあるある」育児漫画が、メチャ面白いのです。

ぜひ、書店で立ち読みしてみてください。

面白そうだったら、1冊、買ってみてください。

あ、秋のインフルエンザワクチン、そのお金を使わずに、ぜひ、こちらを1冊。
医療の断捨離にお役立ちですよー。

今回、宣伝で失礼いたしました。でも、
せっかくだから、この場を借り、
折りをみてまたワクチンのこと、
書いていきたいと思います!

2013年10月4日金曜日

体に悪いけど、心にいいもの

大きな仕事が終わって、
あれ?なんだか肌寒い、と思ったら、
いつの間にか本格的な秋になっていました。

無我夢中で作業をしているうちはいいのだけれど、
やれやれ、と思ったとたんに、小さなことが気になり出す。
もう少し、いい仕事ができたはずなのに、とあれこれ考え始めて自己嫌悪になったり、
鏡をのぞいて、「アレ、また一段と老けやがった」なんてぞっとしたり。
そういう時に限って、嫌な知らせが舞い込んでくる。

急に自信がなくなって、なんだか動き出せなくなる。
ひんやりした秋風を感じるたびに、過去の自分の失敗の数々がフラッシュバックしてきたりして・・・・。

昔、まだ出版社に勤めていたころ、
なにかの仕事の失敗で落ち込んでいた私に、 仕事仲間の編集者が、

「しょんぼりしたときは、『紀の善』に行くといいよ」
と言ってくれました。

「紀の善」とは、神楽坂を下ったところにある和風喫茶店で、
勤めていた会社から歩いて15分ほど。エスケープにはもってこい。
アドバイスに従って、会社を抜け出し、読みかけの本だけ持って、一息つきに行ったのです。

神楽坂ブームのおかげで、今や並んで入るほどの繁盛ぶりだけど、
昔はそれほどでもなく、 お店は静かなものでした。

日本茶をふうふう吹きながら飲んでいると、不思議と落ち着き、
なぜかわからないけど、
「大丈夫、それでいいんだよ」
と言われていような気がして、なんとなく慰められたものです。

和の雰囲気の持つ懐かしさに、ほっとしていたんですね。

その後2回くらい、「紀の善」にはお世話になって、
会社を辞めた後は行っていません。

数年前、
仕事で、ある作家さんに無理なお願いをして怒鳴られた日の帰り道には、
鯛焼きを買って帰ってきました。

小学校で、先生に叱られたか、なにかいやなことがあって、しょんぼりして帰ってきた日、
母が用意してくれたオヤツを食べているうちに、
ほっとして、安心することができたのを思い出したものです。

だれだって、凹むことはある。
カラ元気を出すのもいいけど、自分の感情に無理にフタをしないほうがいいんじゃないのかな?

そんなときは、 ヤケ酒、ヤケ食い、精神安定剤などに走る前に、
懐かしい食べものを前にして、ひと時、郷愁にひたるのはどうかしら。

ところてん、あんみつに、焙じ茶に鯛焼き、かっぱえびせん。

私の場合は、 それがどんな薬より、一番効きます。

栄養価としてもカロリーとしても、イマイチですけど、よいではないですか。

「体に悪いけど、心にいいもの。」

体の健康より、まずは心の健康を優先させたほうが、いい。

食べものの意義は、栄養価やカロリーだけじゃない。

「郷愁」の占める割合は、案外と大きいんじゃないだろうか。

思い出の食べ物で一時子どもに戻り、愛された記憶を思い起こして――。

そうしているうち、心も、体も、元気を取り戻すことができるんです。


年々甘いものが苦手になる私、最近の「しょんぼりフード」は、
「サッポロ一番みそラーメン」。子どものときのごちそうでした。
家族がいないある土曜の昼に、祖父が煮てくれたのが忘れられません。
「じいちゃんは、2つだ」って言って、自分だけ2袋煮ていて、
まだガスの使えない私はうらやましかったなぁ。