2014年2月27日木曜日

「尻の穴を締める。」

なんとなく元気がない。精神的に、不安定。
そんな時には、すべてを投げ出して、本屋さんに行くようにしています。
不思議に、いい本に出会えるのです。

こないだも、そんな状態でフラフラと書店に入り、
フト、「そういえば、この人関連の本、読んでみようと思ってたんだっけ」
と1冊の本を手にとりました。

中村天風の教えを書いた『天風入門』という本。

天風さんとは誰ぞや、というと、
日露戦争では軍事探偵として活動し、九死に一生を得るも結核を発症、
失意の中でヨガの師と出会い、
ヒマラヤで修行し、食餌法と心身鍛練により、結核を治癒させ、悟りを開いた……。
ざっというとそういうお方です。
この天風さんの開いた「心身統一法」は、日本が生んだ最強・最高の心身鍛練法とされ、
お弟子には、宇野千代さんとか、京セラの稲盛さん、信奉者にも錚々たる方々が名をつらねていて、
「下々のものには高尚すぎるに違いない」とこれまで手を出さずにいた私でした。
最近では、海老蔵さん、松岡修造さんが、天風さん関連の本を推薦しているのを見ていて。

本を手に取ってページをパラパラと開いて

「あっ!」
と叫んでしまいました。

ある言葉が飛び込んできて。

「尻の穴を締める。」

腹が立ったり、怖れたり、心配したり、悩みがあったり、消極的感情が起こった時には、
なにをおいても尻の穴を締める。

時々思い出したように締めるのではダメで、
常に70~80%締まっている状態を保つよう訓練すること(具体的!)、とのこと。

天風さんは、いつでも尻が締まっている状態になるまでに、15年かかったらしい。
尻の穴を締めることで、精神が安定するのだと。

ああ、やっぱり、尻の穴を締めること、大事なことだったんだー!!!

若い頃、会社時代に一緒に仕事をした先輩ライターNさん。
料理関係の仕事が多く、よく食べるのに超スリムで、中年太りのかけらもなし。
不思議で、どうやってスタイルを維持しているのかな、と思っていました。

ある時、「大人になってから少しバレエをならったことがあって」と聞き、
やっぱり。だからスリムなんですね、というと、
「でも、少しの期間だし……。あ、でも、先生のアドバイス、『尻の穴を締めろ!』。この教えは役に立っているわね」と。

そうだったのか! 
Nさんは、ずーっと尻の穴を締めているのか!!

この言葉ですべてに合点がいき、すぐさま我が尻の穴を締めてみたのですが……。
これ、長続きさせるのは至難の技。

結局、 シェイプアップのことを考えるたびに、Nさんの言葉を時々思い出しては、
「ムリムリ」とあきらめ。

あれから20年。
ふらっと開いた本で、よもやその言葉に出会うとは。

Nさん、年賀状のやりとりだけでご無沙汰だけど、今もきっとスリムで姿勢もしゃんとしてるんだろうなァ。

もうアラフィフだけど、心がけてみようかな……。 更年期障害防止にもなりそうだし。
Nさんみたいにスマートになれるかどうかはわかりませぬが。

気持ちが不安定になったら、元気がなくなったら、本屋もいいけど、まずは尻の穴を締めてみる。
一時的にでも、気持ちの面では相当効果がありそうです。





ワタシが書店で買ってきた本はこれ。
天風さんのこと、教えがコンパクトにまとまっていて、
読みやすかったです。
『天風入門』(講談社)

くれぐれも、「尻の穴」だけの本ではありません。
「心が身体に及ぼす影響は絶対的である」
「人生は心一つの置きどころ」などなど、
数多ある自己啓発本の源かもと思える内容。
たくさんの教えがつまっています。

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