2014年11月24日月曜日

痛み止めに気を付けて

「びっくりした。ロキソニンって、怖い薬なんだね……。私、じつは持ち歩いてるの。生理痛とか頭痛がひどいから」
「私も、こないだ歯が痛かった時、使ったよ。あの薬、頭痛にもめちゃくちゃ効くね」
「効く効く!! ピタっと痛み止まるもん」
「でも、怖いね……」

10月末に出た、『もうワクチンはやめなさい』という本のための対談の後、担当編集さんとの会話です。

がん放置療法を訴え続けている近藤誠医師と、無駄なワクチンはやめなさいと言い続けている母里啓子医師との対談は、現在の医療問題をえぐり出す、最高に面白い対談に。

もうひと言ひと言がすごいんですが(書店で立ち読みでもいいのでぜひご一読ください!)、
その中で、

「昔は医療機関で処方されていた薬が、今は薬局で手に入るでしょう。ロキソニンとか、ガスターとか。危なくてしょうがないですね」

という近藤先生の発言があり……。
 (本ではロキソプロフェン、ファモチジンと薬剤名を表記)

ロキソニンを愛用していた担当編集さんと、つい先日ロキソニンにお世話になったばかりの私はギョッとなってしまいました。

20世紀初頭に起こったインフルエンザのパンデミック、スペインかぜで、若い屈強な兵士たちがバタバタ死んだのは、当時大量に消費されていた、アスピリンの副作用だった。

インフルエンザが「インフルエンザ脳症」を引き起こし、子どもの命を奪うといわれていたけれど、じつは、脳症を引き起こしていたのは解熱剤だった。

今では、強いボルタレンなどの解熱剤を子どもの発熱に使うことは禁忌とされているけれど、だから、その他の解熱剤が安全というわけではない。

子どもだけが危険なわけじゃない。成人もボルタレンを飲んで亡くなっている。

・・・・・・・対談でのお話を聞きながら、クスリの怖さをあらためて考えてしまいました。

現在、子どもにはアセトアミノフェン系の弱い薬が処方されるけれど、考えてみればこれだって、非ステロイド系抗炎症剤のひとつなのだから、絶対安全ではない。

解熱剤というものは、どんなものでもリスクが伴うもので、すべての解熱剤、鎮痛剤は、決して安易に使ってはいけないのだなぁ……。

たまたまどうしても痛みが強い時に服用するのは仕方ないとして、頭痛、生理痛などのために濫用するのはめちゃくちゃ危険なことなんです。

「これから、気をつけないとね……」
心した私たちでした。


こないだの週末。
久々に次の本の打ち合わせで編集さんに会うと、
「今月は、なんとか、ロキソニン飲まずに堪えた」
との報告。

えらいッ!

私も、あれ以来、飲んでいません。

今も、ウチの薬箱には、歯科医院でもらったロキソニンが少し入ってますが、
これは、「どうしても!!!」というひどい痛みの時のための、備蓄薬です。



収録されている対談
『脅しの医療に対抗するために』。
これを読んだら、もう安易に薬を飲めなくなります。
頭痛には、大根おろしがいい、と
聞いたことがあります。
なんとなく信じていて、頭が痛くて
調子が悪い時には、クスリは飲まず
大根おろしを食べることにしています。

2014年11月7日金曜日

歯ぎしりと詰め物・続き

だいぶ間が空いてしまいましたが……9月の「歯ぎしりと詰め物」の続きです。

何回も詰めてもらったのに、どうしても欠けてしまう前歯の小さな詰め物。

歯医者さんに詰めてもらったところで、すぐまたいつか、夜間の歯ぎしりでひっかかり、ポロリと落ちてしまうに違いない。
これまでのところ、いずれも2週間ともたずに取れてしまっているんだもの。

噛みしめの時に歯があるからぶつかって欠ける。
それなら最初から欠けてりゃ問題ないのである。

いっそ、このままでよくないか?

鏡の前でニコ。

よくよく歯を見れば、欠けてる。
けど、私の歯などしげしげ見る人もいないだろう……。
いずれにしたって、もうこの年だ。

仕事が忙しく、先送りにしていたのですが、
覚悟を決めて歯医者さんへ(2ヵ月前に検診と歯石取りで予約)。

歯が欠けた旨伝え、
見た目はどうでもいいのでこのままでいいです、
と言うと、
歯科衛生士さん、突如向き直り、

「見た目は大事ですっ!!!」

そうなんだけどねぇ。

どれどれと歯医者さんがやってくる。
噛み合わせもチェック。

「んー、やっぱり、どうしても、歯の噛み合わせで欠けた部分が当たってしまいますね……。問題は、この歯、神経のない歯なので、とても弱くて、なにかの拍子にパシンと割れてしまうかもしれない、ということなんです」

そしたらどうなる?

「そうなると、抜歯して、ブリッジとかインプラントとか本当に大掛かりな治療をすることになってしまいます。
ですから、今ほんの少し欠けている状態の歯を、もっと削ってしまって、
樹脂で歯をしっかり囲む処置をしておくことをおすすめします」

えええ!? 
虫歯でもない歯を削るの、イヤだなぁ。

「あのう、その、パシンってなる可能性って、どのくらいなんですか?」

「そうですね……歯が割れたりしないで、最後までもつかもしれないし、もたないかもしれないし、というところですね……」

必ず割れる、というわけでもないのか。

しばし、シンキングターイム!

………30秒経過。

「じゃ、いいです、とりあえず、このままで……」

じゃ、治療お願いします、の言葉を待っていたのか、先生、
軽く「えっ」と言ってしばらく沈黙があり。

「……このままで様子を見ますか……?」

「ハイ。時々検診に来てチェックしてもらうようにします。で、いよいよとなったら、お願いします」

「わかりました。じゃ、角だけ丸めておきましょう」

定期的にチェックしてもらいますというアピールが効果的だったのか、
結局、欠けたままで様子を見ましょうコースに決定。


うーむ。
この決断がよかったのか悪かったのかはよくわかりません。
人様のことであれば、私とて、樹脂で囲んで補強なさい、とすすめる。

でも私は、なんとなーく、歯を樹脂でぐるりと囲んでしまったら、ますます違和感があって、歯ぎしりがひどくなるような気がしてしょうがなかった。
それに、だいいち、作ったばっかりのマウスピースも再度作り直さなきゃならない。

今現在の出費と想定されるリスクを、起こるどうかわからない将来のリスクと比較して、よーく考えたら、 とりあえず、保留、という答えが出たというわけ。

私の結論は、一般的にはおすすめできません。

でも、そのおかげでひとつ、いいことあった。

残った歯を守るために、イヤでたまらなかったマウスピース、
がんばって、なるべく使うようにし始めたんです。
えらいでしょ? 

どーにも、石油噛んでるような感じで、いつまでたっても好きにはなれないですけど……。



マウスピースをつけると、
なんか自分が「イヤミ」になったみたいな気がし、
なんでこんなさるぐつわみたいなものはめて寝なあかんのやと自分が哀れにもなり。
ヤケクソ気味に、「シェーッ! 寝るざんす!!」と(心の中で)叫んで眠るのであります。