2016年10月27日木曜日

喘息は薬で抑える

急に冷えこんだ先日の朝方、長男の激しい咳の音で目が覚めました。
「風邪ひいたかも」よく眠れなかったらしい。
「もしかして……喘息!?」 小学校の低学年のころの一時期、季節の変わり目になると咳が出て、吸入剤を使っていたのです。
「でも治ったんだけどなぁ」成長するにつれ症状が出なくなり、本人も喘息のことはすっかり忘れていた様子。
とりあえず予備校には出かけていきましたが、「苦しいし、咳が止まらなくて顰蹙だし」と昼過ぎに帰ってきてしまいました。
「昨日全然眠れなかったから、少し寝る」なんだかかなり辛そう。
咳は止まらず、部屋に様子を見に行くと、壁にもたれて体を起こしたまま朦朧としています。「横になると咳が出るんだ」
それって真性喘息じゃないの!
「病院に行きなさい!」
「やだよ、病院なんて時間のムダ、お金のムダ、薬なんて効かねえし。前に腹の風邪ひいたときも結局治るまで待つしかなかったんだぜ」
いやいやいや、ちょっと待て。
たしかにインフルエンザやかぜに効果のある薬はない。でも、すばらしく効く薬もたくさんあるのだぞ。
「喘息には薬が必要なの!」

喘息にはステロイドという効く薬があります。ほんとうに効く薬だから副作用も大きい。それでやたら怖がる人もいるけれど、近年では薬の使い方も進化し、副作用の少ないステロイドの吸入薬を使うことで発作を予防できるようにもなっています。
喘息は、薬を使って症状を止めないとどんどん気道の炎症がひどくなり、発作が起きやすくなり、呼吸も苦しくなる。いったん症状が出ると悪循環になりやすい。体力も消耗してしまうし、気道が狭くなってしまうと治りにくくなってしまう。
喘息の場合は、しっかり薬を使って症状を止めること、薬でコントロールすることが大事なんです。

ステロイドを使わずにひたすらガマンなんて、それほど馬鹿げた話はないですよ。足の甲がアトピーになって何年間か苦しんだ私、白状すると、一時ネット上にある情報に流されて、ステロイド薬を中止したこともあります。何度かその繰り返しをして、はっきりわかったことは、アトピーの治療にステロイドは必要である、ということでした。
あるお医者さんが、ステロイドは「火消し」と言っていました。ステロイドでの治療は喘息やアトピーの炎症で火を吹いて火事を起こしているところに、火消しの水をかけるようなものだと。少しずつダラダラ使うのでは効果がない上に副作用も多くなる。一気に使って火を消し、火が消えたら段階的に減らすことが大事。そして、症状が完全に落ち着いてから体質改善を心掛ける。

いろいろ話すと、長男、じゃ病院に行ってくるとさっさと出かけていきました。やっぱり相当苦しかったんです。
病院の待ち時間が長いのがイヤだと言うので、保育園や小学校の時にお世話になった、女医さんが一人でやってる小さな内科に行くことに。あの病院が混むのはインフルエンザの時期だけ。 すぐ戻ってくるかと思ったら、小一時間して戻ってきました。

「喘息だった」
やっぱりね。
「注射された」
えーっ!そんな重症だったのか。
「酸素の量測った?」「うん測った。めっちゃ少なかった」 どうやらそうとう重症だったらしい。ステロイドの注射をされたとのこと。
「ちょっとだけ痛いけど、って言ってたのに、まだ痛いんだよな」とブツブツ言っているけれど、筋肉注射イッパツで咳もおさまり、「あー腹へった、今日の夕飯なに?」。あっという間に元気はつらつ。
ステロイド、なんてオソロシイ薬なんだ……。

とにかく症状が落ち着いてよかった。咳で眠れなかった小さいころのことを思い出して心配だったけど、薬もらえてとりあえず安心。今後はステロイドと気管支拡張剤が混ざった吸入薬で予防するとのこと。
ちょい前から少し涼しい日には咳が出ていて、なんだか怪しいなと思っていたけれどやっぱり喘息だったか。
子どものころの喘息が大人になって再発するのは、ハウスダストなどのアレルゲンよりもストレスが原因のことが多いのだとか。ポーカーフェイスだけど、我が家の浪人生、けっこうストレス抱えてるのかも。


「このピンクの赤ちゃん用の薬はなに!?」と聞くと、
「ステロイド。注射できない子どもが飲むやつ。注射の効果が切れて、病院来るヒマなかったら飲んで、って」
薬の袋にも入ってないし、先生ったら相変わらずさっくばらん。
でも融通きく先生だからありがたいのです。

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