2016年12月15日木曜日

忘年会シーズンのノロ対策

曇天の寒い一日が暮れて、あーカキ鍋が食べたいな、と夕刊をポストから取り出したら、「ノロウイルス猛威」の見出しが。
ちょうど今朝、ダンナが、会社の人がノロでえらい目にあったらしいよと言っていたのでした。
「突き出しのカキが原因に違いないって言ってたよ。カキ、怖いからやめてね」
「え~ノロはカキのせいじゃないと思うよ!」
そんな会話をしたばかり。
貝類が苦手なダンナとカキ大好きな私、毎年この季節、同じ会話をしてるような気がする……。

ノロウイルスは、カキなど二枚貝を通じて感染する、と言われるから、カキが犯人のように思っている人が多いけれど、悪いのはカキではないんです。
人の糞便に含まれるノロウイルスが海に流れて、その海水を吸い込んだカキがノロウイルスの居場所になる、ということ。
もっとも最近は、生食用の養殖カキはきれいな海水で育てるようになっているし、85度以上90秒以上の加熱で死滅するから、カキが原因のノロ食中毒は少ないんです。
カキからくるノロ被害(?)の報告のほとんどは夏場の岩ガキや加熱不足のカキフライ。

ではどこから感染するか?
手から手へ、ドアノブを通じて手へ、そして口から侵入……つまりはノロウイルスに感染している人の糞便が口から胃腸に入ることで、うつる。
調理している人がノロに感染していて、調理の最中に食べ物にノロウイルスがくっついて、その食べ物を食べて、感染する、ということが多いよう。
なら、ノロにかかっている人が調理しなければいいことですけど、でも、ノロウイルスには、感染してもなんの症状も出ない不顕性感染があるし、いったん感染すれば2、3週間はウイルスを出し続けてしまうので、多くは感染に気付かぬままノロウイルスを排出してしまっているというわけ。
だから防ぎようがない。
もちろん、手洗いの励行にマスク着用、塩素による調理道具消毒は有効だけれど、すべてを防ぎきれるものじゃない。
ノロにやられたら、「あたってしまった」とあきらめるほかなさそう。まぁ死ぬわけじゃなし。ついでに一年の毒出ししできてラッキーと思えばいい。

国立感染症研究所のサイトには、ノロによる集団感染についての衛生研究所の分析が載っています。
それ見ると、集団発生したかのように見えるノロでも、患者を調べてみれば、複数の遺伝子型のノロだったりする。
つまり、感染経路はバラバラであるということ。同じ人物から複数の遺伝子型のノロウイルスが見つかったという報告もあります。
つまり、ノロウイルスはどこにでもいるし、あちこちで感染するチャンスはあるけれど、発症するかしないかはウイルス如何ではなくて、その人のコンディションしだい、ということなんです。

そこで私が心がけていること。
その1)体調が悪いときには、のこのこ宴会に行かないこと。これは忘年会の鉄則。
その2)なるべくあたたかいものを食べる。
ノロウイルスは、一年中いるけど寒くなると活発になるウイルス。 ノロによる食中毒には、仕出し弁当が多いのです。私の勝手な推測ですが、ノロが暴れるのは冷たい料理も一因なのではないかな、と。
アツアツの鍋を囲んで、お腹もぽかぽかにしていたら、ノロウイルスもそう悪さはしないのではないでしょうか。
その3)寒い中帰ったら、しっかりお風呂で体を温めてから寝る。
人間に 火を通すわけにはいかないけど、40度くらいのお湯につかってしっかり体をあたためて体温を上げれば、夏場と同じようにノロウイルスも増えないはずです。
以上。

新聞で「ノロウイルス猛威!」なんてデカデカととりあげるほどのことじゃないよ。
というわけで、この冬も私は
大好きなカキを、おいしくいただきまーす!

ひなたぼっこも大切と
ウチの犬が申しております。