「健康について書いてみませんか?」とお話をいただいた当初、私はこんな考えを持っていました。
病気にはワケがある。健康にも、きっとワケがあるはず。ワケを知って、自分はピカピカの健康体になりたい。
なんて不遜な考えだったんだろう、と今では思います。
夫が、数年前に治療法のない難病になりました。封入体筋炎という筋肉が壊れていく病気です。幸い、命に直接かかわる病気ではないので、今も周囲の人の助けを借りながらなんとか勤めにも出ていますが、日々の介助、気持ちが落ちたときのフォローなどを通して、私は、ものの考え方が180度といっていいほど、変わりました。
病気になるのには何かワケがある。医学的にはそうですが、でも、いったいなぜその病は夫を選んで来たのだろう? 同じような生活、同じような体質でも、そうはならない人だっています。何が原因かを考えることは、どんどん夫と私を追い詰めることになりました。
そして、こう思い至りました。
あらゆる病気は、その人のせい、ではないんです。
生活習慣病なんて、いかにもその人の生活習慣のせい、のような名前がついてますが、それだって、その人の持って生まれた体質にかかっています。今はやりの新型コロナだって、そう。かかっても平気な人もいれば、あっという間に重症化して死んでしまう人がいる。なんとかして罹らないように、やっきになってアルコール消毒して、どんなに気をつけていても、感染を完全に防ぐことなんて、できません。
夫の病のワケを追究したい気持ちはあります。何が悪者なのか知りたい。でも、時間を戻すことはできない。過去をあれこれ思い出して悔やむより、今は、今夫が持っているすこやかさを大事にしようという気持ちになっています。
夫は、病気だけれど、すこぶる健康だと思えます。とくに頭が健康(笑)。自分が動けないのに家事のことによく気が付く(怒)。一緒に食卓を囲めるし、愉快に話もできる。障がい2級だけど。
だから、この先どうなるかわからないけど、いつもどこかが健康なら、オッケーかな? 調子の悪いところがあっても、日々、体のどこかは健やかであれば、それでいい。死ぬまで「今日も元気でよかったね」「大丈夫、大丈夫」とゴキゲンでいたい。
健康にはワケがある・・・・自分が今持っている健康に自信を持つこと。
それが、このブログを長く書かせていただいた末の、私の結論なのかな。
💙「健康にはワケがある」の連載はこれでおしまいです。読んで下さってありがとうございました。
続きはぜひ、戸塚美奈の個人ブログhttps://ameblo.jp/minahei/で!